乳がんの治療を行うときには、わきのリンパ節のがん細胞が転移することがありますし、乳房の切除やわきの下のリンパ節の全てを切除しなければならない場合があります。リンパ節に転移していない乳がんの患者の割合は、全体の6割ほどとなっていますので、転移していないときにはリンパ説の切除は不要になります。このような治療が必要のないようにするためには、乳がんの早期発見が大切になります。乳がんは女性が発症するがんの中で、代表的なひとつであると言えます。

乳がんの治療は格段に進歩していると言えますが、乳がんの危険性から命を守るための最善策としては乳がん検診を受診することとなります。乳がんの集団的ながん検診では、マンモグラフィ検査を行うことによって死亡率を低下させることが可能なことがわかっています。日本国のがん検診システムも改善が行われており、年齢が40歳以上の女性に関して視触診による検査に加えて、2年に1度の割合でマンモグラフィ検査を行うことが組み込まれています。マンモグラフィや乳腺エコー検査については、医師の技術が重要となります。

2004年の調査結果では、マンモグラフィ検査を実施している市町村の割合は58%ほどとなっており、欧米のマンモグラフィ検査率の60%から80%の割合と比較した場合に、日本人の受診率は低いと言わざるを得ない結果となっています。従って、乳がん検診を受診することで早期発見ができれば、死亡率を低下させることができる啓蒙活動を行って、多くの女性にがん検診の受診を推奨していくように行政や自治体などが活動を行っています。