大腸がん検診の有効性について

我が国では毎年において、およそ4万人ほどの方が大腸がんで死亡しています。大腸がんは運動不足や食生活の乱れなどの生活習慣も関係していることがわかっており、それらによって危険度が増減するものと考えられています。2004年には厚生労働省の研究によって、便潜血検査を使用した大腸がん検診は、大腸がんによる死亡率を減少させることができるという科学的根拠を示すことによって、大腸がん検診の有効性が認められています。大腸がんを予防する最も効率の良い方法は、検診を受診することによる早期発見を行って、万が一がんの病変が発見されたときには早期に治療を開始することです。

検診の受診方法としては、市町村などの自治体によって行われている集団検診の方式と、医療機関によって任意で受診する個別検診の方式があります。職場による健康診断や医療機関における人間ドックによって検診を受診する機会が限られている、年齢が40歳以上の人の場合には、市町村によって行われる自治体のがん検診を受診することが勧められています。ただし、がん検診は基本的に無症状の方が受診者としての対象となっていますので、すでに便に血が混じっていたり、肛門からの出血、下痢や便秘を繰り返して発症している方などの症状を発症している人の場合には、検診の受診ではなくて専門医を受診するようにしなければなりません。がん検診を受診することによって発見された大腸がんについては、5年間の相対生存率は90%という結果が出ています。

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